今年の夏ころに注文をしていたPiacenza社が扱うベビーキャメル地のジャケットとベストが完成しました。
以前にも仮縫いと2回目の仮縫いの中縫いについてレビューをしています。
オーダーに興味があるという方は参考になると思います。
石田洋服店 ハンドメードのキャメルジャケットの中縫いについて
日本には多くのオーダースーツ専門店が存在します。 それなのにオーダーの価格は2~3万円台という低価格のお店から30万円を超す高級なお店も存在します。 私の個人的な考えでは15万円くらいまでで仕立てるこ ...
続きを見る
石田洋服店でキャメルジャケットのハンドメードを依頼(2着目)
これは6月の末の話になりますが... 石田洋服店で2着目となるジャケットを依頼しました。 石田洋服店は六甲アイランドにある神戸ファッションマート内にあります。 六甲アイランドという神戸に ...
続きを見る
もくじ
石田洋服店で2着目のハンドメードのジャケット
石田洋服店はフルオーダー専門のお店で神戸でも超有名店です。
そこでははじめ紺無地のスリーピーススーツをお願いしました。
高価なフルオーダーにこだわる理由は?その価値は??で着用しているスーツがまさにそれです。
今回は2着目ということで1着目よりも少しデザイン面での変更をお願いしました。
前回との違い
- 芯地を薄くしてもらう
- 着丈を71cmから72cmに変更
- ラペルゴージの高さを5mm下げる
以上の変更をお願いしました。
ぶっちゃけて言うと着丈を72cmにする以外は変更しなくてよかったかなと思います。
好みの問題なのですがパッドがしっかりと入った構築的で広い肩幅にハイゴージがあるからこそ男らしく見え、その広い肩幅とウェストのドロップ差がカッコよく見えるのではないかと思うのです。(マニアックですが...)
どうして今現在、流行しているスタイルである極力パッドを排したショルダーラインでカーディガンのようなシルエットに襟の後ろが首にかかる位置を高くするというスタイルに気を取られてしまいました。
次回仕立てをお願いするときはゴージの高さと、パッドについては戻そうと考えてす。
着なじむまでをレポートします
石田洋服店の店長がよくおっしゃるのは
「完成した今が一番着心地が悪い。今後着用し体を動かすことでジャケットの中に使われている芯地や手縫い糸が体に馴染み着心地が改善されていく」
とのこと。
実際に出来上がりすぐのジャケットは見た目に硬く、着心地についても以前仕立ててもらったスーツに比べると硬いです。
ですので着用するごとにどのように変化していくのかをレポートしていこうと考えています。
そこで私が感じる変化や見た目の変化などのレビューを通してオーダーに興味を持ってもらえたらと思います。
一着目のスーツの話ですが、着ていくことに肩に馴染み腕を前後に動かしても肩が引っ張られるような感覚がなくなっていきます。そして仕立て上がりは肩が張って硬い印象があったのですがとても馴染んで柔らかい印象になりました。
着心地は服が肩をつかんで優しく包んでくれている感覚です(言葉で表すと気持ち悪いですが私はこのような感覚を覚えます。)
この体に馴染んでくる感覚は実際に仕立ててみないとわからない境地です。あと私の語彙力の問題でもあります。(申し訳ありません...)
余談ですが購入してすぐが一番きれいなのは安い既製服だけだという話は有名で、日本ではハンガーにかかっている状態でどれだけキレイかが売り上げにつながっています。
高級店で有名なBrioniやkiton、リングヂャケットなどのスーツはハンガーにかかっている状態ではなんとも頼りない...
この見た目で数十万するのか?と感じる人は多いはずです。
しかしスーツは着用した人をキレイに見えるのが最大の使命ですから、着用したときにキレイに見えれば良いのです。
ですから気になるお店のスーツやジャケットは買った方が良いですが、試着しまくりましょう。
着てみて初めてどんなシルエットになるのかがわかります。
各お店がそれぞれ工夫を凝らしたスーツですので着まくることでしかその違いはわかりません。
冷やかしになるかもしれませんが、安い買い物ではありませんので試着をしてお店ごとのスーツを見る目を着心地の感覚を養い自分にとってベストのブランドを見つけるようにしてください。
おわりに
というわけでキャメルジャケットが完成したことを報告するレビューでした。
いきなりですが私は石田洋服店のスーツが好きですので他で作ろうとか比較をしようという気持ちは一切ありません。
というのもオーダー専門のお店はそれぞれに見た目や着心地にスタイルというものがあります。
そのスタイルは完全に個人の好みになりますので、評判は良いお店のスタイルがそのままご自身の好みにピッタリと合うということは少ないのではないでしょうか?
私自身も大阪、東京、神戸の有名店を訪問しましたが、私自身の感性にしっくりとくるお店が石田洋服店でした。
他にも名店と呼ばれるテーラーは数多くありますし、機会があれば仕立ててみたいという気持ちはありますが、おそらくしないと思います。
理由としてはたった一回の付き合いでフルオーダーの良さはわからないからです。
私がテーラーで勤めていた時のお客さんの中には数多くの有名テーラーで仕立てている人がいましたが、違うテーラー同士のジャケットとパンツを組み合わせたことでジャケットは肩幅は狭くウェストはタイト、スラックスは太もも周りに余裕がありストレートのシルエットで裾幅が22cmくらいとなっていたためチグハグな仕上がりになっていました。
サイズに問題があるわけではなく、各お店ごとに服作りに対する考え方が違うせいでシルエットが微妙に誤差が生じてしいるんです。
客の好みとお店側の理想が初めから一致するわけではないので最初の一着目から完璧なものが出来上がることはなかなかありません。
1着目に仕立てた結果をベースとして2着目はどうするか?と繰り返すことで理想のシルエットや着心地を追求していくのがテーラーで仕立てる楽しみでありフルオーダーの良さだと思います。
そういう意味ではいろんなテーラーで仕立ててもらうというのはあまりオススメしません。(お金が余りあるというのであれば出来るんですが...)
同じテーラーで仕立てたアイテム同士を組み合わせると相性はバッチリですし着心地も極上となります。
オーダーに興味があるけど躊躇しているという方の参考になれば幸いです。
最後に写真にあるアイテムについて
シャツー銀座英国屋の仕立て
パンツー銀座英国屋の仕立て
・ルリスのカシミヤタイ
黒地にシルバーのストライプ柄
小剣がライムグリーンという遊びがあります
Brioniのシルクポケットチーフ
ゴージャスで薄い色合いの柄はパーティなどの席がもっとも似合います。
サルバトーレフェラガモのUチップの外羽根
ご覧いただきありがとうございました。