スーツやジャケット、スラックスを一日中着用したら当然シワだらけになります。
このシワを伸ばさない状態で着てしまうと、当然清潔感はありませんよね。
だからとって仕事で疲れて帰宅したのにスーツのシワを取るためにジャケットに蒸気を当てたりスラックスにアイロンをかけるのは、とても重労働で服が好きな人や服飾関係の仕事をしているという人以外に毎回してくださいとは言えません...私もしません...
しかし何も手入れをしない状態だとスーツ、ジャケット、スラックスは汚れが蓄積されますし、シワも増えていきます。
なので普段の手入れが欠かせないのです。
正しい手入れとシワを伸ばすためのコツさえわかればスーツやジャケット、スラックスは常に清潔さを保ち続け、着る人の魅力を高めるための手助けをしてくれます。
この記事のポイント
- 正しい手入れの方法のご紹介
- シワが気になったり、めんどくさい時に行うシワを伸ばす裏ワザ
もくじ
手入れの考え方
スーツやジャケット、スラックスにおける手入れとは
- 適切なハンガーにかけて型崩れを起こさないようにする
- 汗などの水分が残らないよう乾燥させる
- ホコリを落とす
- シワを伸ばす
- スラックスのセンタークリースがビシっと入っている
上記の5点です。
以前スーツ、ジャケットをクリーニングに出す頻度についてで紹介した臭い汚れについては、臭い出したら素人の手には負えないので即クリーニングに出すことをオススメしています。
普段私たちが出来る手入れとはハンガーにかけてブラッシングをし、たまにアイロンをしてあげるくらいなのです。
ただし、これからご紹介する正しい手入れをしてあげるだけでスーツは長持ちするだけでなく、ホコリなどが付かないキレイな状態で着続けることが出来ます。
さらには購入したときよりも体にもなじんでいるので、服に愛着が生まれて、少し穴が開いた程度だと修理に出してまで着続けるようになっているかもしれません。
つまりスーツ、ジャケット、スラックスを手入れしてあげることは将来のコスパも良くしているとも考えられます。
ぜひ丁寧な手入れをして長く愛用できる服に育ててみてください。
スーツ、ジャケットの手入れ
帰宅したらハンガーにかける
一日着たスーツは良く動かす腕や肩周りのシワが目立ちます。
意外にも自分では見えませんが、良く目立つ背中のシワ...
こういったシワを伸ばすための第一条件としては、着たら必ずハンガーにかけることです。
人体に近いハンガーにかけてあげて生地が持つ元に戻ろうとする弾力性と生地が持つ自然な重みでシワを伸ばします。
ハンガーにかけずにTシャツのようにその辺にポイっと放置していると、すぐにでもシワだらけのみじめな見た目に成り果てます。
肩、首部分のしっかりしたハンガーにかける(細いハンガーは厳禁)

ナカタハンガー 高級感がありインテリアとしても活躍します。
スーツは重たくないですか?
その理由はスーツ、ジャケットの表面の生地だけでなく、その中には数多くの副素材と呼ばれるパッドや芯などが入っているからです。
特に副資材が多いのが肩、胸周りです。
そしてハンガーは首周りや背中、肩部分でスーツやジャケットを支えています。
つまりこの支える部分が細いハンガーだと副資材の多い肩周りの一点に力が、かかり過ぎてパッドに変な癖が付いたり、生地が伸びたりします。
細すぎるハンガーにかけて型崩れをしてしまったスーツやジャケットは着るたびに肩がズレたり、変な方向に力がかかって着心地が悪くなったりと、とても疲れるスーツ、ジャケットが完成してしまうというわけです...
スーツ、ジャケットは、もちろん着るために存在していますが着ていない状態の方がはるかに長いのです。
着ていない状態が長いからこそ、肩、首周りに厚みがあり人体に近いハンガーにかけてやることが重要なんですね。
プラスチックタイプが安価でおすすめです。
ナカタハンガーという木製で職人が作る高級ハンガーもあります。かなりの重量感と高級感があるのでプレゼントにオススメです。
スラックス専用のハンガーを使用する
スーツを買ったら付いてくるハンガーに引っかけて保管している方は多いと思います。
ただ私としてはスラックス専用のハンガーにかけてほしいですね。
なぜかと申しますと
- シワを伸ばせる
- 生地が重なることの密を避けることが出来る
この2点が理由です。
一日履いたスラックスは意外にもシワだらけで、着用回数とともに太ももから裾にかけて折り目を付けたセンタークリースが消えていきます。
あまり意識しない人が多いですが、少し離れてみた時にスラックスにシワが多かったり、センタークリースが消えかかっていたりすると清潔感がなく、どこか田舎者のような洗練さに欠けた印象を与えてしまいます。
遠くから見た時にセンタークリースがピシッとなっていると、とても清潔感があるんですね.
シワがない方が良いにしても、座らずに立ちっぱなしという訳にもいきませんから、普段の手入れで取れるシワは取っておくことが重要です。
では最低限シワをのおばして、センタークリースを出来るだけ残すためのコツは、
写真
- 裾をハンガーに吊るす
- クリース(スラックスの織り目)を合わせる
このようにかけます。
そうするとスラックス自身がもつ重みで膝フラや太もものシワは伸ばされますし、センタークリースもある程度は復活します。
オススメは下記のようにクリップで留めるタイプです。
どうしてもハンガーの数が増えてしまうので、効率よくかけたい方は下記のタイプもおススメです。
センタークリースは着用回数が増えることに消えていきますから定期的にアイロンをかけてあげることでピシッとさせてあげてください。
スーツ好きな人でスラックスを履いた日にアイロンをかけてセンタークリースをビシっとさせるという徹底した猛者も存在しますので、常にピシッとさせたい方は履いたら毎回アイロンをかけたり、週末にアイロンをかけるなどこまめに手入れをしてあげることが重要です。
アイロンをかける際は、焦げやテカリ防止のためあて布を忘れないようにしてください。
着用したら必ずブラッシングをする

ブラシの平野 洋服ブラシ 手植え水雷型
ブラッシングで出来ることと言えばホコリを掃うことです。
しかしブラッシングにはもう一つ出来ることがあり、スーツやジャケット、スラックスを長く愛用するためにも重要な役割があります。
それは毛並みを整えてあげることです。
毛並みを整えてやると毛玉になりにくくして繊維が持つ復元力を利用して自然とシワを伸ばすことが出来ます。
体を動かすごとにスーツやジャケット、スラックスはよじれます。それは生地の繊維が複雑に摩擦を起こして、からみ合っている状態でもあります。
つまりあらゆる場所で軽い毛玉状態が出来上がっています。
毛玉が出来たら毛玉取りで取っていると生地は薄くなり、テカリの原因や穴あきの原因にもなりますので、毛玉取りはオススメしません。
この毛玉がまだ初期段階であればブラッシングだけで対応できます。
ぜひ日々のブラッシングで絡まった繊維をといてあげてください。
またこのブラッシングはスーツやジャケット、スラックスだけではありません。
高級素材であるカシミヤなどを使用したセーターやマフラーも使用すればブラッシングしてあげてください。
カシミヤの繊維は通常のウールよりも細く毛足が短いものが多くとても繊細です。
なのでカシミヤ素材のものをお持ちの方はご存知かと思いますが、毛玉ができやすいんです。
その原因も上記で説明した通りなのですが、ブラッシングを丁寧にしてあげるだけでも毛玉になりにくくなります。
ブラッシングに使用するブラシもとても重要となります。
程よい硬さと反発力、毛足の長いブラシがおすすめです。
ウール用のブラシは豚毛が多くけっこう固めのモノが多いです。
こういった硬めのブラシは高番手(supeer 170sのような)の生地であれば、繊維を傷つけてしまう可能性があります。
ですから高級素材になれば、それに使用するブラシもグレードを上げなければいけないと私は思います。
そこでオススメなのが、
私も愛用しているブラシの平野の洋服ブラシ 手植え水雷型です。
毛足は長く、程よい硬さと反発力のある馬毛を使用しているので、強めにかけても生地を傷めない気がします。
手のひらに収まらないほどの大きさなので握り込むことができ、手首が疲れにくいのが特徴です。
以下はブラシの平野で購入したブラシをご紹介しています。
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風通しの良い暗所に保管
一日着用したスーツやジャケット、スラックスは結構水分を含んでいます。
その状態でマンションなどに備えついてあるクローゼットにそのまま保管してしまうとクローゼット内の湿度が高くなってしまいます。
その状態だと、臭いの原因になるだけでなく最悪の場合はカビたり虫食いにあって穴が開いてしまうことがあります。
そうならないためには、まず服が持つ水分を抜くことです。
そのためには最低でも1日は風通しの良いところで干してあげてください。
例えば下記のようなハンガーラックを用意するとか
カーテンレールにハンガーをかけてあげるのも良いです。

ハンガーレールにかけて除湿しています。
ただしこのまま外に出しっぱなしだと室内の蛍光灯の光で焼けてしまうことがあります。
ですから1日干したらクローゼットにしまうようにして下さい。
またクローゼットは喚起が難しく湿度が高くなる傾向にありますので定期的に扇風機で送風してあげたり、除湿剤を用意するなどして湿度がこもりっきりにならないようにしてください。
除湿剤には床などの平面な場所に置くタイプとハンガーにかけるタイプとあります。
個人的な見解ですがハンガーにかけるタイプの除湿剤はオススメしません。
リンクでご紹介しているタイプの除湿剤に比べると吸湿出来る量が少ないことと、たまにパックが破れて下が水浸しになることがあるからです。
水分を吸収した吸湿材が服に付くとシミになることがあり、ハンガーの下にも洋服を保管していたら大惨事になる可能性があります。
※私の場合はマフラーやセーターを保管していて、水分を吸収した吸湿材がついてシミになり捨てました...
床などに置くタイプの吸湿材も倒せば水漏れが発生することはありますが、まだマシだというのが私の見解です。
シワが気になるときの裏技
ジャケットは腕や背中にシワが付きやすく、スラックスは立つ座るの動作で太もも周りにシワが出やすいです。
それらのシワは新品であれば数日ハンガーに吊るせばシワはキレイに伸びますが、着用頻度が高かったり、素材によっては一度シワが付くとなかなか取れないものがあります。
そのシワが出来るたびにアイロンをかけるたり蒸気を当てる行為は、とても面倒な作業です。
実は老舗オーダー専門店で働いていた時に、一緒に働いていたフィッターという採寸、裁断、仮縫い、修正をしていた技術職のおじさん(お店では先生と呼んでいました)にシワを伸ばす簡単な方法を教えてもらいました。
シワが気になる場合はハンガーにかけたまま風呂場に吊るす
お風呂に入ると必ず蒸気が発生しますよね。
その蒸気にウールなどでできた糸は蒸されて水分を吸収します。
そうして水分を多く吸った糸は膨張してシワが伸びるのです。ただしブラッシングをしてから風呂場に吊るした方が効果的です。
しかもお風呂は暗所であることや、入浴後は窓を開けるなどして乾燥させるのでスーツやジャケット、スラックスなどにとっては保管場所としては完璧なのです。
霧吹きで生地を湿らす
これは上記のような風呂場に干すよりも荒業ですが、即効性がありとても便利です。
少量であれば、すぐに乾きますし、霧吹きで湿らすので生地が完全に水分を吸いきった状態でもありません。
ですが、少量ですと、取れるシワにも限界があり、効果はあまり高くありません。
最も良いのは霧吹きを振りかけて、スーツから水滴が滴るくらいべちゃべちゃに湿らすことです。
ここまで湿らせれば乾くころにはシワは伸びていることでしょう。しかし2日間は乾かしすなどして完全に余分な水分が残っていない状態になってから着用するようにしてください。
でないとカビや臭いの原因になりかねません。
余談ですが私が老舗オーダー専門店で働いていた時には先輩などがイタズラでジャケットに霧吹きの水をべちゃべちゃにされるということが多々ありました笑
ただし乾くころにはシワが伸びたうえに、生地が柔らかくなって動きやすくなっていました。
今でもブラッシングをしても取れないシワができてきたら霧吹きを全体にかけています。
オススメはプロ仕様の霧吹きです高価なものです。
ただしかなり細かいミストであることや、レバーを引きまくる手間もないので使いやすいのが特徴です。
シャツやスラックスのアイロンにもオススメです。
下記動画は参考までに
安価な霧吹きだと100均などでも扱いがありますが、液だれを起こしやすい上に壊れやすいのでオススメしません。
参考記事
今回はスーツやジャケット、スラックスの手入れの基本に限定してご紹介しました。
ただし今回はクリーニングに出すタイミングや靴の手入れなどには一切触れていません。
どの内容も長く愛用したいと考えているのであれば知っておきたい内容となります。
ご興味のある方はこちらも合わせてご覧いただければと思います。
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