革靴が好きがになり、かれこれ10年以上靴を磨いてきました。
しかしこれまでプロの靴磨きを受けたことは一度もありませんでした。
私は靴磨きを雑誌やブログなどを通して学び自分自身のハウツーを作り、それが一番正しい方法だと信じていました。
革靴好きな人たちの意見でさえ「それはその人のやり方、自分は違う」という天邪鬼のようなスタンスでいました。
「自分で靴磨きが出来るのに、わざわざお金を払ってまで靴磨きをしてもらうのはもったいない」という失礼な意見さえありました。
しかしプロの靴磨きを受けてその考え方は簡単に崩れました。
本や動画などでは、靴クリームをどれくらい載せたらよいのか?どれくらい古い靴クリームやワックスを落とせば良いのか?わかりません。
プロの靴磨きをされている方達はこれまで何百足も靴を磨き、そしてお客さんから相談を受けています。
私のように趣味で靴を磨く者とは知識量がまるで違います。
やはりプロに相談をするのは気づきが非常に多いですね。
こんな方におすすめ
- 靴磨きに興味がある
- 自らの靴磨き方法をアップデートしたい
- プロの技を見たい
私がPLSBの上田さんに靴磨きをお願いした経緯については
手入れのブランドはここ一年間にこれまで使用していたサフィールシリーズからタピール製品に切り替えて革靴の手入れをしていました。
しかしタピールのレーダーバルザムを使用したところ革のべたつきが気になり、たまたま阪急メンズ大阪にあった靴磨きの職人であるPLSBの上田さんに相談しました。
そうするとワックスの塗り過ぎ、古いワックスが落としきれていないかもしれないと指摘を受けました。
では一度ちゃんとした手入れをしてもらおうと考えお願いしました。
阪急メンズ大阪1F 靴のケア商品が売っている店舗の隣にPLSBの靴磨きコーナーがあります。
お預けしたのはJM Weston300の茶色のストレートチップでケアをお願いしました。
Salvatore Ferragamo special edition firenze はフルシャインをお願いしました。
ケアについて
上田さんがケアで使用された道具のすべてはブートブラックのものです。
step
1古いワックスや汚れ落とし
ツーフェースローション
ツーフェイスローションは水性汚れと油性汚れを同時にふき取ることが可能で古いワックスや靴クリームをかなり落とします。
溶剤特有の臭いは無いのですが、溶剤としての性能はかなり高いです。
私の靴は古いワックスがかなり厚く載っていたらしくツーフェイスローションで8回くらい拭ってもまだまだ茶色が落ちる...
銀面が現れないか心配でしたが上田さんは「軽く拭っても取れるのでワックス層がかなり厚い」とのこと...
step
2油分補給
リッチモイスチャー
革をしなやかにし保革性の高い油分を多く含む油性の保革液クリームす。デリケートクリームとは微妙に違います。
直接指に少量のせいて全体をササッと満遍なく塗ります。
ベタベタに塗ると後のクリームやワックスの載りが悪くなるらしく薄ーく塗布されています。
step
3
コレクションズ
コレクションズは補色成分が染料が入っているため塗布していけば少しずつです革が染まっていきます。
手入れをしていくと少しずつ色は抜けていくので染料タイプは非常に便利です。
クレム1925がブートブラックのアーティストパレットなどの油性靴クリームの補色成分は顔料のためツーフェイスローションなどの洗浄溶剤でぬぐい取ることが出来ます。
step
4ワックス(色の調整など)
アーティストパレット
水分を含まない油性の靴クリームでクレム1925とよく似ています。
色数が豊富で補色成分は顔料のため革靴が染まらずいろんな色を合わせて表現ができるようです。
茶色の靴の中に緑を入れてみたり、黒靴の中に青や赤を入れて深みを出すこともできるそうです。
靴クリームとワックスの塗り方はペネトレイトブラシを使用
靴クリームはペネトレイトブラシで塗ると均一に塗ることが出来て、早い、そして手が汚れない。指や布で靴クリームを塗ると塗り過ぎになることがあるようです。
時間は20分ほどです。
そしてお願いし仕上がったのがこちらです...
写真のセンスの無さ過ぎてどこがどう違うのか全くわかりません...本当に申し訳ありません。
コレクションズのエスプレッソを使用されていて、全体的に色が濃くなりました。
またアーティストパレットも緑などを使用されていて光の当たり方によってにじむような緑に発色し色に奥行きが出ています。
ペネトレイトブラシで塗っているので全体的に少しムラ感がありますが、雰囲気があって良いです。
フルシャインについて
次に私はフルシャインなるものが気になり依頼しました。
依頼したのは以下の靴です。
実はこの靴を入手したときにはアンティーク加工のようになっておりつま先やかかと等を濃い色で仕上げで濃淡をつけていました。
しかし手入れを重ねていくうちにそういった色は抜けて全体的に退色して色がボケてきておりました。
写真でもわかるように全体的にぼんやりとした色合いです。
この靴は手染めしてあるので手入れを重ねて新たに色を乗せなかった場合は退色していき独特な風合いが出てきます。
それはそれでカッコいいのですが、やはり最初に購入したときの色合いに感動したので出来れば購入当初のような濃淡のついた靴になってほしいと思っておりました。
PLSBの上田さんにはそのことを告げてアンティーク調に仕上げて欲しいと依頼しました。
基本的な手順はケアと同じでした。
鏡面に使用しているワックスが何だったか思い出せないのですが、少し変わった手法で磨かれていました...
曖昧な表現で申し訳ありません。
アッパー部分はブートブラック コレクションズ チェスナットを、つま先から踵にかけてのサイド部分はブートブラックのコレクションズ エスプレッソを塗布されています。
下にいくほどに濃い色にして上下で色の濃淡をつけてグラデーションにしています。
グラデーションが効いて深みのある色味になっています。
鏡面磨きをしたつま先はしっとりとした艶感です。
上田さんの好みとしてパキッとした鏡面の艶感よりも瑞々しい艶感が好みとのこと
革靴の自然な光沢を引き立てるような自然な艶感はやはりプロの技です。
おわりに
靴磨きのプロ「PLSB」の上田さんに依頼した「ケア」「フルシャイン」についてご紹介しました。
今回は阪急メンズ大阪のPLSBにて靴磨きをしてもらいました。
PLBSは実店舗もありますので気になる方は訪ねてみてください。
ただ場所は非常にわかりにくいです。
PLSBではレア物の中古靴がありますので気になる方は覗いてみてください。掘り出し物があるかもしれません。
PLSBは男性3名が在籍されていて、どなたも気前よく靴磨きや革靴について教えてくださいました。
とても話しやすい方達でついつい話し込んで仕事の邪魔をしてしまいました...
革靴の手入れの方法には正解はなくいろんな方法があります。
今よりもキレイに仕上げたい。革靴について知りたい。そのように感じる方は気になる靴磨き職人さんに依頼して、実際に技を見て自分の靴磨きに活かしてみてはいかがでしょうか?
沢山の気づきを得られると思います。
皆さんの革靴ライフがより良いものになることを祈っています。
ご覧いただきありがとうございました。