最近 革靴の手入れについてブートブラックで統一しています。
今回はブートブラックの汚れ落としとして有名なツーフェイスプラスローションについてご紹介します。
汚れ落としや古いワックスや顔料を落とすリムーバーです。
革靴には油分があり上にワックスや顔料が乗っています。
履いていると油分は抜け、ワックスや顔料が古くなってきます。
これらは一度落としてあげて油分の補給と補色、ワックスによる保護が革靴の手入れのセオリーです。
ツーフェイスプラスローションについて
●革の汚れを効果的に落とす
油性汚れを落とす上層と、水性汚れを落とす下層に分かれていますので、各々の汚れ落とし効果を直接発揮できます。又使用時に2層を混ぜ合わせることにより油性、水性の区別ができない汚れもしっかり落とします。皮革にしっとり感を与えるモイスチャー成分も配合しました。出典:Boot Black
革靴の手入れで一番大切な工程が
汚れや古いワックス、顔料をしっかり落とすことです。
ここが十分でないとクラックの原因になります。
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クラックの原因はいろいろありますが、一番多いのが
古いワックスが落としきれていないということのようです。
私を含め靴好きな人たちに多いようで大事にするあまり古いワックスを落としきれずにワックスをさらに塗り重ねているということ
そうすると表面には厚いワックスの層が出来てデリケートクリームの油分が十分に浸透しきれずにいます。
古いワックス成分は劣化が進むと乾燥していき革に固着するようになります。
そして劣化でパキパキに乾燥したワックスが割れるときに革に固着した層も一緒に割れてクラックが発生ということになります。
そうならないためには汚れや古いワックス、顔料を落とすことが超重要となります。
この工程をしっかりと行うことで革の柔軟性を保つためのデリケートクリームが活きるわけです。
靴の手入れを専門としている人に言わせると
汚れや古いワックス、顔料を落とす工程が一番大事とのことです。
靴磨きの日本王者の石見氏も動画の中で汚れ落としが重要だとおっしゃっています。
下記動画は靴磨きの参考になりますのでご参考下し亜
メリット
総合的な言い方をすると
靴の手入れの時短効果がかなり高いのが最大のメリットです。
私が靴の手入れで行う工程は最低でも汚れ落とし→保湿→補色、ワックスによる保護と段階がありますが
全ての工程を終えるのに時間を要します。
ツーフェイスプラスローションは他のリムーバーと比較して時短が図れます。
その理由として簡単に言うと汚れやワックスを手早く落とし、すぐに揮発して成分が残りません。
ですから次の作業(保湿)までのリードタイムがほぼ無いということが高評価となります。
強力な洗浄力がある
「強力な洗浄力」というのは、これまで使用してきた汚れ落とし、リムーバーと比較しての話になります。
これまでは水性の汚れ落としとして有名なステインリムーバーやサフィールノ ワール レザーバームローション、タピール レーダーオイルを使用してきました。
これらは汚れ落としてしては非常にマイルドな使用感となります。
少し細かく言うと
ステインリムーバーは水性の汚れに対応したリムーバーなので油性のワックスや顔料はあんまり落としません。
ワックスが落ちないからとステインリムーバーでゴシゴシ拭いていたら靴を染めている染料が抜けて白い層が見えてしまいます。(※私です)
こうなると素人では元に戻すのは難しいです。
染めが出来る人に依頼しなければなりません。
ステインリムーバーはあくまでも汚れ落としに特化した製品のためワックスを落とす役割は微々たるものなのかもしれません。
サフィールノワール レザーバームローションはかなりマイルドな汚れ落としでリムーバーというよりは汚れ落としと保湿を同時に行うローションです。
なのでワックス成分が落ち切らなかったり、落とすのに時間がかかります。
ただし鞄や財布、ベルトなどのように革靴ではない革製品の手入れには最適です。
とても良い状態を保ってくれます。
タピール レーダーオイルはオレンジテレピンオイルの成分で油性成分のワックスや顔料を溶かすものですが、レザーバームローション同様に使用感はかなりマイルドです。
しかも乾きにくく塗り過ぎるとワックスや乳化クリームが乗らずに弾かれることがあるのでせ使いにくい印象です。(※私見です。)
ただし乾燥しまくった革製品にはオイル成分が浸透して復活させてくれます。(ただし色が変わる可能性が高いので注意して下さい。)
ツーフェイス プラス ローションはこれらと比較すると洗浄力は強力です。
感覚的な話になりますが、2回~3回靴全体に塗るだけでワックスを取ってしまいます。
鏡面磨きをしていたらワックス層が厚くなるのでもう少し塗る必要がありそうですが...
ツーフェイスプラスローションを使用する際にゴシゴシと力を入れてこするように拭いてはいけません。
ワックスだけでなく革の銀面を削りかねません。
つまり塗り過ぎやゴシゴシ拭くと革が劣化します。
使用の際には布にツーフェイスプラスローションをしみ込ませて、力を入れず円を描くようクルクル転がすように軽く塗っていく
これくらい少量しみ込ませて塗っていきます。
上記のようにこれまでは洗浄力がマイルドな汚れ落とし、リムーバーを使用していて
ワックス落ちてないならいらないんじゃないか?時間かかるし...
と疑問を感じていました。
一時期の私は油性ワックスのクレム1925を使用しており
古くなったワックスを落としす方法としてもサフィールノワールのクレム1925を使用していました。
リムーバー類は使用せずにクレム1925に希釈してある溶剤成分を利用して古くなったワックスをからめとっていました。
そうすることでワックスも塗布できて一石二鳥だと考えていました。
こういったやり方は存在するのですが...
このやり方だと確かに表面のワックスを取ることはできますがスッピンにすることは出来ず常にワックスが載っている状態です。
デリケートクリームがうまく浸透しきれていなかったのかもしれませんが
しばらくするとクラック(ひび割れ)が発生するようになったのです。
油性成分を落とす強力な溶剤であるサフィール レノマットリムーバーやリグロインは使用したことがありませんでした。
強い洗浄剤を使用して革に負担が行き過ぎるのを怖がっていたので使用していませんでしたが、ワックスの塗り過ぎでひび割れを起こしているようでは意味がありませんね...笑
クレム1925を使用している方のワックス成分を落とすのにもツーフェイスプラスローションがおすすめですが、油性ワックスであるクレム1925をしっかりと落とす目的としては
レノマットリムーバーがおすすめです。
ツーフェイスプラスローションよりかなり強力なリムーバーで厚く塗られた鏡面だろうが難なく落としてしまうほど強烈です。
そのあとはスペシャルナッパデリケートクリームを塗布して保革しクレム1925を塗布して補色、ワックスによる保護という流れになります。
揮発が早い(乾くのが早い)
上記の「強力な洗浄力がある」と重複しますが...
揮発性の高い成分が入っているので塗布したらすぐに揮発していきます。
というよりかはワックスなどの油性成分を溶かす溶剤で、強力なリムーバーほど大体揮発性の高い有機溶剤が入っています。
油性インキを落とす洗浄用の溶剤はさらに強烈です。
ツーフェイスプラスローションより強力なリムーバーのレノマットリムーバーやリグロインなんかも塗った先から揮発していきます。
つまりツーフェイス プラス ローションにも強い有機溶剤成分が含まれているのだと思います。
臭いがない
インキやペンキのような油性成分を溶解するために使用する溶剤は臭いがキツいです。
ガソリンや灯油、シンナーのようなツンとした臭いがします。
レノマットリムーバーやリグロインなども上記のようなキツい臭いがしますので臭いに敏感な人は気分が悪くなることがあります。
しかしツーフェイス プラス ローションは臭いがありません。
有機溶剤成分はイソパラフィン系が配合されているらしく臭いが無いのだと思われます。
この低臭性は個人的には非常にありがたいです。
私は臭いで気分が悪くなることがあり長年使用していたサフィールのクレム1925やスペシャルナッパデリケートクリームの臭いでさえキツいです。
さらにはリムーバーとして使用してきたタピールのレーダーオイルは酢とオレンジの臭いがありレノマットリムーバーやリグロインはモロに石油系特有のキツい臭いがします。
ツーフェイスプラスローションは臭いを気にされる方には大変おすすめです。
デメリット
溶剤成分が強いので革に負担がいきやすい
強めの溶剤成分が入っているので革への負担はそこそこあると思われます。
というより溶剤としての性能が高ければ強い負担が生じるのは当然です。
もし仮に溶剤性が高くて革に負担がないという夢のような溶剤があれば革靴のリムーバーのみならず
人が使用する洗顔やメイク落としのリムーバーに採用されています。
つまりそんな夢のようなモノは今のところこの世の中には無いのです。
ただワックスや汚れをしっかり落としてくれるが革への負担があるツーフェイスプラスローション等かワックスや汚れを落とす能力が低いレザーバームローション等か
いずれを使用するかは好みによるところです。
使用後は早い段階で保湿を行う必要がある
乾くのが早いということは揮発する際に革の油分や水分も一緒に抜けていることを意味します。
例えば洗顔などをした後すぐに保湿液などを塗らない場合どうなりますか?
肌はパキパキに乾燥して突っ張った印象がありませんか?
それと同様でリムーバーを使用すると革にある油分や水分も抜けていきます。
ですので使用した後は間をあまり置かずに保湿をすることを強くお勧めします。
私は現在使用しているのはブートブラックに切り替えたのでツーフェイスプラスローションの後は
リッチモイスチャーを指塗りして油分補給をしています。
おわりに
革靴の手入れは基本的に履いたらブラッシングだけで良いのですが
定期的にワックスと汚れを落として、デリケートクリームで油分を補給し乳化クリームによる補色、ワックスによる保護が必要になります。
正直面倒です。
誰かやってくれる人がいるなら譲りたいというのが本音です。
ただすべての靴を靴磨きを専門としている方に依頼するほど余裕はないので自分でやる必要があります...
しかしツーフェイスプラスローションのおかげで靴の手入れが少し面倒でなくなりました。
やはり最大のメリットは時短です。
手早く汚れや古いワックスを落として次の工程に進めるのでテンポよく手入れができます。
また今回は革靴の手入れの時に汚れや古いワックス、顔料を落とす商品をご紹介しましたが、靴を履くたびに使用しているわけではありません。
革靴の手入れ(汚れ落とし→保湿→ワックスの工程)をするのは1か月に1回、多くても3週間に1回程度です。
一度手入れをを行うと革靴はなかなか乾燥しません。
手入れに慣れていない方だと3回履いたら(2~3週間くらい)手入するという方がいましたが、そこまで高頻度に手入れをする必要はないと思います。
大事なのは革靴を乾燥から守ることです。
あまり高頻度に手入れをしているとが苦痛になっていしまいますので神経質にならず乾燥してきたと感じたら
「そろそろ手入れでもするか...」
くらいの軽い気持ちで音楽を聴きながらであったりお酒を飲みながらにでも靴の手入れを楽しんでください。
逆に普段一日履いた靴は馬毛のブラシでホコリをしっかり落とすブラッシングが重要です。
革靴の手入れの本当の基本はブラッシングによるホコリを掃うことです。
革靴を履いたらしまう前に必ずブラッシングをしましょう。
ブラシは大きく馬毛と豚毛のブラシがありますが
ホコリを掃うには柔らかい馬毛がオススメです。
豚毛のようにハリコシがあるブラシはデリケートクリームやワックスを塗ったあとに伸ばすために使用します。
ちなみに今の私の手入れではツーフェイスプラスローションを使用したら必ずリッチモイスチャーを塗布しています。
強力な洗浄力のおかげで油分も結構抜けている気してしっかりと油分を補給したいのでリッチモイスチャーが便利です。
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と個人的な考えがあることからリッチモイスチャーを使用しています。
次に補色としてコレクションズ、ワックスによる保護の目的で油性ワックスであるアーティストパレットを塗ったりまだ残っているクレム1925を塗布しています。
ご覧いただきありがとうございました
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布で表面を乾拭きしてあげる。
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