革靴は高価な印象がありませんか?
その印象通り確かに高いです。
どんなに安い革靴であっても本革であれば1万円以上します。
さらに大切に履き続けたいと思う場合は日々の手入れをして、かかと(一番削れてくる)や靴底全体(ソール)の交換など修理が必要で、そこまでの作りや革質を考量すると最低でも2万円~3万円する本格的な作り(グッドイヤー製法やマッケイ製法など)の本革の革靴を購入することをオススメします。
1万円台で購入できる本革の革靴の場合は修理ができない靴底(セメンテッド製法といわれる作りで靴底は接着剤のみ)であることが多くあります。この手の革靴は履きつぶしですので靴底が削れて穴が開いた時点で捨てることになります。(修理は出来てもせいぜいかかとの交換やつま先の補修程度です。)
では革靴は値段を基準に革靴を選べば長持ちするのかというと違います。
靴の作り方以前に手入れがとても重要です。
仮に20万円もする超高級な革靴であっても手入れをしていないと革靴の表面(アッパー)は乾燥していき
履き続けると履きジワ部分が割れてきます。(クラック現象)
一度割れた(クラック)革は元には戻りませんし、最悪かかとの交換の前に割れた部分が広がり完全に穴が開いた状態になると一度も修理をすることなく捨てることになります。
そこまでいかなくとも手入れがされていない革靴は見た目もホコリや汚れで白っぽくなり不潔なイメージを与えてしまいます。
逆に1万円の革靴であっても手入れをしていれば清潔感があり好感を与えることが出来ます。また手入れのためにかかるコスト(買いそろえる道具や手入れの手間など)をかける分、自身が履く革靴を少しでも長く履きたいという心理状態になります。心理学ではすでに支払ったコストを取り戻そうとする心理効果をサンクコスト効果といいます。
つまり革靴の手入れをすればするほど靴を大切に扱うようになるということです。
この記事のポイント
ですので表面の革(アッパーと言います)が合皮でなくて本革であればすべての革靴に共通している内容となります。
こんな方におすすめ
- 革靴を大切に履き続けたい
- 最低限の手入れの方法を知りたい
- 必要な道具が知りたい
もくじ
靴の手入れに正解はない...
いきなりですが...
革靴の手入れ方法に正解はありません...
ワックスやデリケートクリームを販売しているブランドは多くあり、それぞれのブランドによって提唱している手入れ方法が違います。
ただし手入れ方法で推奨している共通している点があります
手入れの共通点
- 汚れを落とす
- 古いワックスを落とす
- 栄養補給する
- ワックスで保護
以上の工程はどの手入れ用品を使っていても大切だと言っています。
革靴が好きな方々の手入れ方法を聞いてみると、十人十色の方法で手入れをされています。
一つのブランドのみで手入れしている方やクリーナーはどこどこのブランド、デリケートクリームはどこどこのブランドといった具合に混合して手入れをしている方も非常に多くいらっしゃいます。
靴磨きのプロといわれる方達でさえ手入れの仕方は様々です。
まさに
靴の手入れは自由
長持ちすればそれでOK
というくらいテキトーです。
ただテキトーとはいえ革靴愛好家の皆さんの手入れの方法で共通するポイントがあります。
それは
革靴を履いた日に必ず行う手入れ
定期的な手入れ(手入れの共通点の1~4の工程)
この2つは徹底されています。
革靴の手入れは頑張ってするものではない
私の手入れ方法
革靴の手入れと聞くとワックスやデリケートクリームを塗ることだと思われている方が多くいますが、それらの手入れを毎日する必要はありません。
そういった手入れはむしろ月一回程度で十分なのです。
ですの私は革靴の手入れ方法は毎回と月一の2つが存在します。
手入れのポイント
・靴を履いた時の手入れ
・月一回くらいの手入れ
革靴を長く履くための大前提
手入れ以前の大前提が存在します。
革靴を長持ちさせたいなら必ずやるべき3つのポイントで詳細を述べていますが革靴1足につき1つのシューズキーパーを装着することをオススメします。
革靴を履いていると少しずつですが革靴が反り返ってきます。反り返りが進行するとシワが深くなり靴が割ける(クラック)原因にもなります。また靴全体の形が崩れてしまい履き心地も悪くなります。
シューズキーパーを装着すればそり返りを防いでくれます。木製の場合は靴内の湿気を取るのにも活躍してくれます。
革靴を履いた日の手入れ
- 馬毛でのブラッシングによるホコリの除去
- 綿布での乾拭き(着なくなったTシャツなんかでOKです)
飾りがついている革靴や革靴と靴底のつなぎ目の隙間などにはチリやホコリが多く溜まっています。それを取り除かないとワックスを塗布したときにそれらチリやホコリをワックスと一緒に押し込んでしまい革靴の劣化を加速させます。
馬毛のブラシは柔らかいのでほうきで払うようにほこりを払い落とします。
ブラシでホコリを落としたら布で乾拭きをします。革靴の表面にしつこくこびりつくチリやホコリをぬぐい取ります。
普段靴を履いた時の手入れは上記のポイント2点をしっかりと行えばまず問題ありません。
1か月くらいに1回の手入れ
1か月に1回は本格的な手入れを実施します。
今回は下記の
靴全部の状態がカサカサしている。革が硬い。革にしっとり感が無くなったなど状態であれば手入れをします。
ここでは私も使用しているサフィールというブランドのケア商品をご紹介します。
①古いワックスを取り除く(ワックスは油に溶けるため油分のあるワックスを使って取り除きます。透明色を使うと古い顔料も取れるのでわかりやすいです)
②デリケートクリームを塗布(栄養補給)
※何かと役に立つペネトレイトブラシ
細部までデリケートクリームを塗布したいのであれなペネトレイトブラシに着けて塗布するのがおすすめです。
③豚毛のブラシでデリケートクリームを均一に伸ばす。
④ワックスを薄く全体に塗ります(鏡面用ワックスではありません。先ほどワックスを取り除くのに使用したシリーズの革靴の色に合わせたワックスを塗ります。)
私はデリケートクリームやワックスは指に直接つけて革靴に塗り込んでいます。その方が革にどれだけ塗布できているのかが感覚でわかるからです。
ただ、この方法だと隙間などに塗布することが出来ません。さらにはここでオススメしている商品には少量だと思いますが有機溶剤も含まれています。アレルギー体質の方の場合は肌荒れの原因にもなるので指で直接塗ることはお勧めしません。またどうしても手が汚れてしまいます。
そういったことを考えるとペネトレイトブラシでワックスやデリケートクリームを塗布したほうが良いように思います。
※何かと役に立つペネトレイトブラシ
⑤豚毛のブラシでワックスを均一に伸ばす。
⑥着なくなったTシャツやYシャツで多く乗り過ぎたワックスを拭いとる。
⑥気分が乗れば鏡面仕上げ(おまけです。)
ポリッシュは必ず必要というわけではありません。
サフィールノワールのクレム1925にもワックス成分が含まれていますので保護膜の形成と光沢はでます。
つま先やかかとをピカピカに仕上げたいという方にはポリッシュは非常におすすめです。
↑この商品は靴磨き選手権という超マニアックな大会で使用不可にされるくらい簡単に鏡面磨きが可能です。
最低限欲しい手入れアイテム一覧
東急ハンズや百貨店の靴売り場にに行くと数多くのブランドがあり正直どれを選んだら良いのかわからないと思います。
私が靴磨きに目覚めた15年くらい前の靴の手入れ専門のブランドの量に比べて今は当時の倍以上あります。
しかも同じブランドでも高級なものと廉価なものの2つのシリーズが出ていたりと、どう違うのかさっぱりわからない状態です。
そんな中で私自身も色々なブランドを使用してきましたが、今はサフィールを使用しています。
15年くらいに革靴の知識が一切ないときに革靴の手入れに詳しい方にオススメしてもらってから、ずっと使用していました。
現在はタピールというブランドの手入れ用品を使用しています。
ただしタピールがサフィールより優れているというわけではなく私との相性が良いというだけです。
以下タピール製品の使用レビューとなります。
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検証 タピール ~Tapir~ だけで革靴を手入れをした結果
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以下サフィールの公式HPのリンクをご紹介します。
今回私がご紹介した商品はサフィールの中でも一部の商品しかご紹介していません。他にもスエード用のケア商品や防水スプレー、革小物全般に使える簡単なケア商品など数多く商品があります。
Saphir サフィール 総合サイト
Saphir Noir サフィールノワール サフィールの中でも高級ライン製品で私が普段愛用している製品です。通常のサフィールを使用していましたが、使いやすさや革靴がより長持ちするのでサフィールノワールを使用しています。
通常の製品に比べると高額ではありますが、良く伸びるのコスパ抜群ですし、保革の観点から見ても天然の油分などが多く含まれているので、乾燥から守ることも十分に期待できます。
おわりに
今回は
- 手入れ方法
- 革靴の手入れのオススメ道具
をお伝えしました。
お仕事でスーツを着る必要があったり結婚式のようなフォーマルな席などでクラシックに着こなすには革靴は必須のアイテムとなります。
こういった場面に合わせるスーツは起毛素材ではなく表面がツルっとした光沢のある生地のものを選ぶ場合が多いです。
さらにそういったスーツに合わせるシャツもアイロンがしっかりとかかり襟がパリッとしているものを選び、ネクタイをするのであれば光沢のあるネクタイを合わせるととてもキレイです。
そのようなスタイルに合わせる革靴も黒であっても艶があり黒光りしているような革靴を合わせると良いキレイに決まります。
逆に革靴だけ白く汚れているように見えたり、手入れをせずにボロボロのようでは全体がかなり安っぽく仕上がって見えてしまいます。
つまりスーツスタイルとはスーツ、シャツ、ネクタイ、革靴などのトータルのバランスがとても重要だということです。
何か一つのアイテムだけが突出していたり、バランスが欠けていてもダメな減点方式です。
そのバランスの要の一つである革靴はしっかりと手入れをしてやらないとボロボロになっていくだけです。
買ったばかりのころの革靴は履きなじみは悪く、履き続けるうちに革がのびて履き心地が良くなっていきます。そこに手入れをしないままだと履き心地が改善されて履きやすいと感じるころには汚れて埃っぽくなり表皮は割けるなどのトラブルが起きて捨てざるを得なくなることが十分に考えられます。
ちゃんと手入れをしていれば履き心地の良い革靴をもっと長く履き続けることができたかもしれないのに非常にもったいないですよね
革靴は手入れをしてやるだけでちゃんと答えてくれます。
継続的手入れをしてあげている革靴は新品では出せない深い色が出ます。また革の繊維が整ってワックスがけをしていない状態でも自然な光沢が出てきます。
このように革靴が育つという経験をすると革靴の沼にハマっていき革靴が大好きになります。
ぜひ革靴の手入れにチャレンジして皆で仲良く沼にハマりましょう(笑)
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